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アイカツ! 61話『キラ・パタ・マジック☆』感想 空への窓とデザイナー

宣言通りアイカツ!の記事バンバン上げていきますよー。
しかしなんで今更61話かというと、いろいろありますが僕がそらちゃん推しだからです。
推しはかえでちゃんとそらちゃんです。これも宣言しときます。
二人とも声の芝居がとてもいいですよね。
というのは置いといて、こっから先、第37話辺りの感想を書く予定もあるので、この程度序の口です。
さて、この話を見るにあたって、一番の特徴は「窓」です。
キャラクターの心情と同期して開閉される窓が、ドラマを表現していくのです。
ではその様を具体的に見ていきましょう。


そらは泰然自若と言いますか、あまり取り乱さないし感情を大きく外に出す子じゃないので、悩んでるのが外からわかりづらいんですよね。
そこは作中でも言及されています。
だから、その心情表現するのに窓が使われているんです。
最初、そらは起きた時に自室の窓を開け空を見上げています。
しかし、ティアラ学園長からのブランド立ち上げの打診を受け、そらは悩みます。
そこにセイラときいがやって来ますが、その時そらの部屋の窓は閉まり、カーテンがかかっています。

ここから回想シーンになりますが、そらがミミさんに出会った時、見上げたミミさんの宿の窓は閉まっています。
ですがそらとの交流を重ね、そらが宿を訪ねた時には窓は開いており、ミミさんは空を見上げています。
そして、そらとの出会いで悩みが解消されたミミさんは、そらが次に宿の扉を開いた時には去っています。

ここで回想シーンは終わりですが、この回想のミミさんの悩みと窓の動きは、そらのそれとまったく同じをしているんですね。
また、セイラときいが、回想におけるミミさんにとってのそらと同じ役割を果たしているんです。
ミミさんがそらと出会い、窓が開け放たれたように、セイラときいと話したそらは、カーテンを開け空を見上げます。
そして悩みを吹っ切り、ブランド名を決めたそらは、窓を開け放つのです。
ステージ後に、ティアラ学園長が楽屋の扉を開いてもそこにはそらの姿はありません。
最後にそらがミミさんを訪れた時と同じように。
という形で、回想と現在、ミミさんとそらの、それぞれの扉と窓が、心情とともに同期しているのです。

この61話は、こうした映像的なメタファーと、この1話だけで綺麗に完結した話が合わさり、非常に完成度の高いものとなっていると思います。
デザイナーが主役であることや、異国が舞台であることなどから、いつもとちょっと違う雰囲気なところも面白いですよね。
デザイナーが主役であるということは結構重要だと思っていて、僕はアイカツ!2年目に置いてテーマ的に一番重要な役割を果たしたのがそらちゃんであるとすら思っています。
1年目だとユリカ様ですね。
テーマではなく、アイカツ!という作品自体にとって一番重要だったのはあおいちゃん。
というのはともかく、1年目は新人から成長していくアイドル(いちごちゃん)の視点で見たアイドル界、という形式だったのが、2年目からちょっと変わってくるんですね。
例えば、アイドルとデザイナーの関係。
プレミアムレアドレスを貰うには、アイドル側からの視点でトップデザイナーに認められる、というのが1年目の筋でした。
ですが、2年目はそうではないのです。
そらちゃんによってデザイナー側の視点ももたらされたからです。
顕著なのは、このすぐ後の第64話『ラッキーアイドル☆』で、いちごが星座ドレスをもらうときです。
この時、そらからデザイナー側からの視点の言葉をかけられるんですね。
この回のプレミアムレアドレスのもらい方は1年目とは大きく違う者でしたが、それはそらちゃんによってデザイナー側の視点がもたらされたからだと思います。
このあたり、2年目の視点の話はまた別の機会に詳しく書きますね。

さてそんなデザイナーアイドルそらですが、デザイナーとアイドルを両立することについて、ボヘミアンなミミさんが最初の出会いの時に当然のように踊ってるから、
そらちゃんがデザイナーだけじゃなくアイドルもやってる理由を説明しなくてもさらっと納得できるのは見せ方としてうまいですよね。
そういったところも含めて、この61話は完成度が高かったです。
是非この記事を読んで61話の再評価を! 
今月のアニメージュのアイカツ!記事でも木村監督たちがお気に入りの回に挙げてましたしね!

テーマ : アイカツ!
ジャンル : アニメ・コミック

アイカツ! 101話感想 追っかけアイドル的な話

もう放送から2週も遅れてるので前置き無くさくっと。
2年目最終回となる今回、画面の中心にあったのは、いちごから逃げるあかりと、あかりを追いかけるいちごでした。
何故あかりがいちごから逃げたのかという話は、こちらの天秤さんのブログの記事にとても綺麗にまとまっているのでそちらにお任せするとして、
わかば色のルーフトップ 再定義されるあかりの原点――本当の目標は真似でなくて(アイカツ!第101話考察)
(これ以外の考察もとても面白いのでお勧めです。)

この記事ではいちごが誰かを追いかけるという画面上の動きが、この2年間のアイカツ!においてどのような意味を持っていたのか、ということに焦点を当てたいと思います。

第28話『美月とスッポン』でわかりやすく示された通り、いちごが美月を追いかけるというのが美月といちごの関係であり、いちごのストーリーの主軸でした。
これは50話を区切りに、美月が去った後の51話からは一旦潜伏しますが、2年目後半から再び浮上し追いかけ始めます。
この「追いかける」というのは、もちろんアイドルとしての存在を追いかけるということなのですが、重要なのは、それだけではなく物理的にもいちごは美月を追いかけているという点です。
具体的に例示していきます。
2年目に初めていちごが美月と対面した第63話『紅白アイカツ合戦』では、美月の後姿を見たいちごが美月を探し回り、遂に再開を果たすのがとても印象的に描かれます。(あおいと蘭はその手助けをします。)
美月がアイドルとして復帰する第75話『アゲイン♪オフタイム』では、シークレットライブの張り紙から美月を感じ取ったいちごが、美月復活を目の当たりにします。(他の組の子達は美月を感じ取ってはいません。)
さらに美月がWMとしての活動を開始する第78話『ミラクルはじまる!』、最初は美月からいちごに会いに来ますが、意味深な言葉を残して去ります。
そして、その言葉をヒントにいちごは美月の事務所を探します。
これらすべての回が美月が大きな行動を起こした回であり、そういう時にいちごが美月を追いかけるのが最大限印象的に描かれています。
美月さんが2年目に初めて顔を見せる第53話『ラララ☆★ライバル』でも、いちごはそうとは知らなかったとはいえ結果的にドリアカに潜入して美月を追いかけていたとも言えないこともないですね。たぶん。

こうして見ると追いかけるっていうより探すって方がしっくりくるかもしれませんが、まあ同じことです。
両方の意味があると考えていただいても結構。
大事なのはいちごが美月を「目が追いかけてしまうアイドル」と評したことです。

いちご「私ね、同じステージに立っていても、ついつい美月さんに目が行っちゃうの。お客さんもきっとそうなんだと思う。ステージに何人アイドルがいても、みんなの視線が自然と美月さんに引き寄せられる。私がそうだったみたいに……。いつも私たちの先頭を走ってる」(第92話『サマーアイドルストーリー』)

誰もが引き寄せられる美月を、誰よりも追いかけようとするのがいちごである、というのが1年目も2年目も通底していることであり、そこに作劇的にはドリアカという存在が大きく関わっているのですが、この話はまた別の機会にします。
さて、この美月の特性は映像でもいつも表現されており、美月は後ろ髪を残して画面の外へ去っていくカットが非常に多いのです。
追いかけたくなる後姿というのが、美月の役割として画面に表れているんです。
画面の中の動きにおいても、美月は「追いかけたくなるアイドル」であり、いちごは「追いかけるアイドル」なのですね。
これはもちろん、美月がいちごの「道標」だからということでもあります。
しかし、そうした憧れのライン上の関係だからという以上に、美月は「追いかけたくなるアイドル」だし、いちごは「追いかけるアイドル」なのです。
それを如実に表しているのが、いちごに憧れる大空あかりという存在です。

あかりはいちごに憧れ、いちごを追いかけてアイドルになりました。
その意味で、いちごは追いかけられ、あかりが追いかけるという関係です。
ですが、やっぱりいちごは「追いかける」んですね。
第80話『アイカツ!ブートキャンプ』で、いちごはブートキャンプに行ったあかりの下へ訪れます。
第97話『秘密の手紙と見えない星』でも、スペシャルアピールが出来ずに苦しむあかりに会いに行きます。
このように、あかりが悩んでいる時には、いちごの方からあかりに会いに行くのですね。
これが1年目、美月といちごの時はどうだったかというと、いちごが悩んで歩いていると、中庭にいる美月に出会う、という形が多かったように思います。
これはちょっと全部チェックしきれていないので、僕の印象であって実際は全然そんなことないかもしれませんが……。

ともかく、これまで見てきたように、いちごは追いかけるアイドルでした。
そしてその集大成、いちご主人公のTVラストの第101話でも、いちごが追いかけるのです。
この2年間の最後まで。
この徹底された構図の美しさの中、いちごに捕まったあかりは心情を吐露し合い、いちごと向き合い、そして握手します。

あかり「星宮先輩が、目をそらせないほどきれいだったから……」(第101話『憧れのSHINING LINE』)

こうしてこの上なく綺麗にバトンタッチされて、さて。
いちごを追いかけてスターライト学園にやってきたあかりは、いちごを追いかけながら一体どんなアイドルになるのだろうか?
それが描かれるのが102話からの3年目なのです。
受け取ったバトンを手に、あかりが自分のアイカツをしていくのでしょう。
その予感と、いちごの2年に及ぶ物語の集大成、それをこうも美しく描いたこの101話を見られたことを幸せに思います。

もう一つ。
いつも追いかけられていた美月が、みくるを見送る立場になったというのが、この101話のもう一つの見どころでした。
「見送りに行かない」と宣言しておいてのこれですからね。
美月がみくるとの出会いで変化した部分というのがこの無言の別れ数カットに凝縮されているのです。
これもまた感慨深い。
感極まるというものです。



さらにも一つ。
本当の集大成、劇場版の予告が公開されましたね!
http://www.aikatsu-movie.net/movie/
で、この予告でも先ほど言った美月が後ろ髪を残して去るカットがあるんですけど、その後美月を追いかけている、探しているのはあかりなんですね。
いちごではない。
これがどういうことか考えたんですが、ピンときたのがスパイシーアゲハのトップデザイナー橘アンナの言葉。
『私が求めているのは、完璧なモデルさんじゃなくてミューズなの。私を追いかけちゃダメ』という言葉です。
この言葉の意味は、追いかけるのでもなく、追い越すのでもなく、追いかけたくなるような存在になれ、ということでした。
もし、いちごが美月を越えるのだとしたら、それは、いちごが美月にとって追いかけたくなるような存在になることなのかなあ……
とか考えたら、「歌おう、私の気持ちが届くって信じて……」って言ってるいちごちゃんのカットが表情が、ああ、ああ!
僕はもうダメだ! 
と勝手に感極まってるんですけど、まあ本当にそういう話かどうかは置いといて、楽しみですね、劇場版。
いちごちゃんたちのアイカツの集大成ですものね。
……ってな感じで終わります。
まだまだアイカツに関して書きたいことは山ほどあるのでさくさくいきますよー。

テーマ : アイカツ!
ジャンル : アニメ・コミック

なぜ今リリカルなのはViVidなのかって話

はい、ええとアニメ化の発表からもう1か月以上経ってるんですけどね。
いやほんとはコミケ後すぐにこれ書こうと思ってたんですよ。
まあ思ってただけだからこんな時期になったんですけど。
そんなこんなでもうすでにアニメスタッフが発表されちゃってる感じっつーかフラゲですけどそんな感じなわけで、でもだからと言って書くつもりの予定に変更はなかったというか裏付けって感じなので気にせず書いていこうと思います。
結論を先に言うと「劇場版作ってるからViVidをTVアニメ化なんだよ」っていう当たり前の話なんですが。

まず、ViVIdのアニメ化が発表された時、けっこうな人が「なぜ今Vividを?」と思ったんじゃないかと思います。
特に、現在のなのはコンテンツに詳しければ詳しいほどそう思ったんじゃないかと。
というのも、ViVid自体の盛り上がりは少し昔の方が高かったですし、原作者の都築さんもメディアミックスにおいて同じ内容をそのまま他のメディアで繰り返し行うことについて乗り気ではないコメントをしていたと思います。
もっともそれはかなり前の話ですし、今は考え方が違うのだと思いますが。
あと、情報が来るなら劇場版3rdだろうと構えていた人が多いでしょう。
盛り上がりに関しては、アニメ化発表前にコミケでドラマCD発売するなりなんなりしていれば、作れていたと思いますが、そういったことはあまりありませんでした。
一応抱き枕出したリハしてるんですが。
とにかくまとめると、「今ViVidをアニメにしたい!」という意思がなのはプロジェクトからは感じ取れなかったということです。
盛り上がってるからアニメ化、という流れじゃないと。
じゃあなんでアニメ化したのかというと、それにはなのはというコンテンツ全体を見渡す必要があると思います。

まず、今なのはをアニメで展開しようと思ったら、2つのパターンになります。
完全オリジナルの作品か、他のメディア展開している作品(ViVid、Force、INNOCENT)のアニメ化か、です。
で、すでに完全オリジナルの劇場版3rdがすでに発表されてるんですね。
この3rdが、現在のなのはアニメコンテンツの主力だと考えていいはずです。
ということは、その他にアニメで展開しようと思ったら、3rdと被らない雰囲気のものにしようとするでしょう。
実際に、これまでの劇場版と並行して作られたDOGDAYSに関して、そのようにして作品を作っていったと都築さんが述べています。
この条件に合う、他のメディア展開している作品は、ViVidとINNOCENTの2作品が該当します。
もちろん3rdと被らない新作を作るという選択も考えられますが、その場合、その制作スタッフが劇場版のメインスタッフと被らないようにしなくては、物量的に不可能だと言えます。
なのはのTVオリジナル新作で、都築氏と、さらにキャラデザの奥田泰弘さんを起用しないという選択は、ファンの反発も予想できますし、現実的ではないと思います。
よって、アニメ化の選択肢はViVidとINNOCENTに絞られます。

ここでINNOCENTについて考えて見ますと、これはViVidと同じく漫画でも展開していますが、元はゲームです。
そして、このゲームは奥田さんがキャラクターデザインをして、基本的に絵は奥田さんのアニメ調のデザインなんですね。
もともとINNOCENTの世界はこれまでアニメで描いてきたものとは完全に別のものなので、奥田さんの絵を外れると、一気にこれまでのシリーズとの繋がりが薄れてしまうんです。
ですので、仮にINNOCENTをアニメ化するのなら、少なくとも奥田さんがキャラデザまではしないといけない。
ですが、それだと先ほど述べたスタッフが被ってはいけないという条件に反してしまいます。
ということは、消去法で、アニメ化するならViVidだ、ということになります。
ViVidは奥田さんの絵じゃなくていいのか? という疑問もあると思います。
ですが、ViVidは最初から漫画の作者である藤真さんを前提に作られたものであり、作品のビジュアルイメージも藤真さんの絵で定着しています。
つまり、ViVidのアニメは奥田さんのものでなくてもいいはず。
最初にアニメ化の報を聞いた僕はすぐにここまで考えたのでコミケ2日目になのはブースにPVを見に行く時、心の中に一つの予想がありました。
それは、「PVのアニメの絵は奥田さんのものじゃないだろう」という予想です。
そして、その予想は的中しました。
PVのアニメは、藤間さんの絵を再現したものだったのです。

以上のことから、劇場版と被らないスタッフでViVidを作りたいのだろうという推測が成り立ちました。
最初に述べた、ViVid自体のアニメがどうしても作りたかったのではないのではないか、という予想も、こう考えれば納得できます。
「劇場版がまだ時間がかかるから、その間、ViVidで間を繋ごうとしている」という考えです。
この考えは、これまでの推論の条件にもぴたりと当てはまります。

さて、ここまでの話は、劇場版が制作中だという前提が元になっています。
しかし、そもそもポシャったりしていると考えたら全て成り立たないのではないか? と考えることも可能でしょう。
ですが、逆に今一番フレッシュなINNOCENTではなく、ViVidのアニメ化を選んだということが、その理由を考えていった場合、劇場版も制作中だと考えるのが一番妥当なのです! そのことは今まで述べてきた通りです!


納得しかけていただけましたか?
今のはかなり循環論法っぽいですよ?
というのは置いといて、奥田さんがほとんどアニメで名前をクレジットされていないというだけで状況証拠としては十分じゃないすかね。
劇場版制作中なこと。
いや、実際仕事しててもノンクレとかペンネーム使うだろうけどね。
……というところまでコミケでPV見た時点で考えていましたが、アニメのスタッフ発表されましたねぇ。
結果、概ね僕の推論を保証するというか、少なくとも矛盾はしていませんね。
セブン・アークスは1月からDOGDAYS3期ですけど、あれ放送前に全話ほとんど制作終わる感じのスケジュールで作ってるらしいですしね。


あ、あと、僕ViVidもForceも面白く読んでて、まあその辺は放送時にでも改めて語ればいいやと思ってるんですけど、この2作品とも、これまでのなのはシリーズの相対化が行われているんですね。
特に主人公に関して。
その点において、確かにヴィヴィオ(とトーマ)は新シリーズの主人公たる資格があるわけです。
とかそんな話ができるアニメ放送開始を楽しみにしてます。

テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

悪魔のリドル感想 人はサイコロと同じで、自らを人生の中へと投げ込む。「故に、世界は□□に満ちている」

「晴はみんなと勉強して、友達になって、仲良くなって、人生エンジョイするのです。そして必ず、卒業して見せます」

「それがお前の望みなのか」


はい、『悪魔のリドル」の最終話が完璧だったので、久方ぶりにブログ更新しようと思い立ったが吉日、言葉が流れ出るままに書き綴っていきたいと思いますはまじです。完璧ですよ喝采喝采。
で、何から語ったものかと考えますと、なにより僕が『悪魔のリドル』全体を通して評価している、面白いと思っている部分をまず挙げて、それがどうこの最終話で結実したか、という軌跡を辿るのが、僕の感動を理解していただきやすいのではないかと浅慮した次第。


◆黒組という箱


ではでは、『悪魔のリドル』の何が素晴らしいかって、この作品、女子高生暗殺者によるクラス内早い者勝ち暗殺ゲームをやってるんですけど、彼女たちは互いに牽制などをほとんどせずに、それぞれ思い思いに自分の黒組ライフを満喫してるんです。
そして、自分の担当回が来ると、思い出したように暗殺しようとし始める。
ここが非常に素晴らしいんです。
授業中には寝たり、本を読んだり、真面目に勉強したり。
制服だってそれぞれが別のものを着ている。
画面をパッと見ただけで、彼女たちがバラバラな人間だということが伝わってくるのです。
嗜好も、性格も、生い立ちも、別々の人間が同じ一つの目的のために集まっている。
あるいは一つの箱に詰め込まれている。
それが黒組です。
ここが非常に面白い。

黒組がなければ一生接点がなかったであろう面々が、晴を殺すという共通の目的の下、共同生活を送る。
そこには、「目的が達成されればこの生活は終わる」という一種の儚さが常に付き纏っているのです。
今放送しているアニメで言えば、『ラブライブ!』なども、μ'sという活動が卒業を時間制限として、いつか終わってしまうことを一つのテーマとして描いています。
こうしたものは部活物など、多くの作品で見られると思います。
『悪魔のリドル』も、暗殺という物騒なものを扱ってはいますが、それも別れの契機であるという点で、近いものでしょう。
ただ一つ、『悪魔のリドル』が特異なのは、普通ならば別れのタイムリミットとして設定されている卒業を、晴が目標として設定し続けている点になります。
最初から最後まで、卒業がゴールなんですね。
だから、この最終回で描かれた卒業は、別れとは違う意味を持つのです。
また、黒組のルールにおいて、暗殺に失敗した者は退学になります。
バトルロワイヤルになる可能性があるとはいえ、これは望むままの報酬を得られることのリスクとしてはとても小さいものに思えます。
しかし、上記の事からすると報酬とリスクが等価であると考えられるんですね。
つまり、暗殺が成功することで晴と別れ黒組が解散するか、暗殺に失敗して暗殺者が黒組から去るかです。

さて、話は戻って、黒組の面々がバラバラだと言う話。
バラバラな人たちが一つの目的の下に集まるって筋書きは、上で出した例えですとラブライブなんかもそうですが、目的が同じだからこそぶつかり合ったりわかり合ったりする、ってのがよくあるパターンです。
ですがこの作品では前述の通りほとんどそれがない。
顕著だったのが7話で、晴を殺すのは早い者勝ちなのに、爆弾解除を手伝わないばかりか勝手に番号押して邪魔までし始める伊介様は衝撃でしたよ。いやあれ大真面目だったのかもしれませんけど伊介様……。
ちょっとここまでキャラそれぞれがバラバラに生きてるアニメを見た覚えが僕にはないです。
この1点で僕はこの作品を圧倒的に支持してますし、評価の軸もこの点が中心です。
制服やらでも触れましたが、映像としてもそれが表現されてますしね。
そのキャラらしい芝居をしている作品が好きなのです。
そんな黒組の面々が一つのことに向かって協力した話もあって、それが舞台「ロミオとジュリエット」の準備と本番です。
この模様が描かれた5話と6話は『悪魔のリドル』においては異質であり、同時にとても象徴的でした。
5話ではなんだかんだで皆が楽しそうに学校生活を送っているんですよね。
春紀が言うようにそれが嘘だとしても。
6話でも楽しく舞台が進行します。
しえなちゃんがぶち壊そうとしてさくっと退場させられますが。しえなちゃん……。
それはともかく、このお祭りに乗じてみんなで楽しい学園生活を描いたのは、とても有意義でした。
この子たちのこの生活を、やり取りを、もっと見てみたい。
そう僕に思わせただけで、成功だったのです。


◆世界は『願い』に満ちている


さきほど黒組の面々は晴の暗殺を目的にしているという点で共通点を持っていると書きましたが、その暗殺というのも、彼女たちにとっては対価としての報酬を得るための手段、過程にすぎません。
それぞれの望みにしたがって行動しているのです。
今まで書いてきたのは、その望みのための暗殺に関わる行動と、それ以外の学校生活の行動がほとんど関連していないことの面白さでした。
これからするのは望みの話。
彼女たちの望みは多種多様です。
しかしまあそれは報酬によって叶うことはないわけです、失敗しましたから。
ではその叶わなかった願いがどうなったのかというと、それが最終回で描かれているんですね。
そして、それぞれがその願いに折り合いをつけたり、理事長の力なくして叶えていたりするんです。
そうやってそれぞれがそれぞれの人生を生きていく。
それが肯定的に描かれる。
シリアルキラーで真っ当に考えたら本当にどうしようもない殺人犯の武智が、何の反省もなく服役してるのすら肯定的に見えるんです。
これはすごい。
どのキャラも概ね人殺しなのに魅力的に描いて、担当回で予想外の方向にキャラ立ちして退場するのがこの作品の特徴ですが、それはどのキャラの生き方も尊重してるからこそなんですね。
黒組を経て、それぞれが自分自身で選択した生き方。
それが非常に前向きに描かれる、生き方の物語なんです、『悪魔のリドル』は。
ちなみに『悪魔のリドル』が生き方をテーマにした作品だということは、原作の高河ゆん先生もインタビューで語っていることだったりするのでチェックしてみるといいと思います。何に載ってるか忘れましたが。まあそこ念頭に置いて最初から見直すだけでも、いろいろ発見あるんじゃないかと。
まあ僕がそのインタビュー読んだのは最終回後なんで、この感想には特に影響ないですが。

さておき、彼女たちの願いというものは、彼女たちの生き方と深く関わるものです。
そして、「来たくてこんなところ来たわけじゃない」という黒組での学園生活。
しかしそんな嘘でできた学園生活でも、彼女たちは楽しく過ごしていたように見えるし、僕たちは楽しく見ていた。
この2つの生き方が共存していたのは、黒組という舞台あってのものです。
その舞台の幕が下り、学園生活が終わり、幻が消え去った時に、彼女たちが選んでいた生き方。
けれど、じゃあ黒組で得た思いは、あの日々も消え去ってしまったのか。
そんなことはないのです。
だからこそ、晴は皆に卒業証書を届けに行くのです。
それが晴の願いで、そしてそれもやはり黒組の外、暗殺と報酬というルールのそとで叶えようとする願い。
黒組という鳥籠から解き放たれて、それでもなお2つの生き方が交わることができる。
その接点を願い、選択することができる。
だから『悪魔のリドル』は、生き方の選択の物語なのです。

いくつもの象徴的なシーンがありました。
「ロミオとジュリエット」という幕が下りる作り物の舞台。
最終回で鳰と晴が倒れた後、つまり黒組が終わった瞬間、霧とともに消えるそれまで周辺にあった壁。
黒組というのもそういう場でした。いつか終わる嘘でできた作り物。
その終わりの先に待っているものが何かはその時になってみないとわからない。
けれど、自分の生き方を選択することはできる。
この記事のタイトルにもしましたが、「人はサイコロと同じで、自らを人生の中へと投げ込む」
l'homme est d'abord ce qui se jette vers un avenir,et ce qui est conscient de se projeter dans l'avenir.
サルトルの言葉ですね。ブラック・ラグーンに出てきた言葉としての方が有名かな。
この言葉こそがこの作品、『悪魔のリドル』を端的に表した言葉だと思います。
結果として何が出るかはわからないが、自分でサイコロをふることを選択することはできる。
カイバ先生はっきりとサルトルを意識して作られたキャラクターですよね、たぶん。
というか、作品自体がサルトル意識されてるよね。

――世界は呪いに満ちている。では呪いとは何でしょうか?

人間は自由であるように呪われている。condamné à être libre

――天国の門と地獄の門。嘘つきの門番はどちら?

地獄とは他人である。l'enfer, c'est les autres

詳しくないけどWikipedia見ただけでこんくらいこの作品との関連が見いだせますね。
もっとあるかもしれませんけどそういうのは詳しい人に任せましょう。
カイバ先生の台詞は特に面白いものが多いですよねー。
他にも香子ちゃん回にはルターの「死は人生の終末ではない生涯の完成である」なんて格言も出てきましたね。
この言葉も、念頭に置いて最終回を見直すと感慨深いです。
僕はあの瞬間確かに兎角さんは晴を殺して、そして生かしたのだと思っています。



◆故に、世界は□□に満ちている


さてまあ、「世界は□□に満ちている」空欄を埋めよ。
この質問に兎角さんがなんと答えたのかというのは視聴者それぞれが考えればいいとは思いますが、皆さんは何と答えるでしょうか。
僕はこの□□というのは単なる空欄ではなく、サイコロを意味してるんだと思います。
まだ目の出ていない、二つのサイコロ。
何が出るかはわからないが、それぞれが願い、サイコロをふることはできる。
世界はそんな選択と、誰にもどう出るかわからない結果で紡がれていく。
故に、世界は□□に満ちている。
だから、彼女たちの生き方の選択と、それを描き切った『悪魔のリドル』に喝采を送りたいと思います。



あ、あとで走り鳰の考察追加すると思いますが、ひとまず完成ということで……

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

アイカツ! ――トライスターオーディションで紫吹蘭ちゃんが合格する100の理由――

あまりにも更新が久しぶりなので僕がびっくりしております。え、1年半!? 半年じゃなくて!?
そんなびっくりドッキリ・ウルトラレアな当ブログの更新記事ですが、タイトルの通り内容はなんとアイカツ!
なんとなんて言って、何もなんとなんかじゃないことは、当方のTwitter見ておられる方は知っての通り。
日がな一日アイカツ!のことばかり呟いて、アイカツ!を中心に生活リズムを組む、世界の中心でアイカツ!を叫ぶ傾倒ぶり。
そんな僕にとって太陽に等しいアイカツ!の、現在絶賛展開中のトライスターオーディションについての予想です。

トップアイドル神崎美月のユニット、トライスター。その最後の一人はいったい誰なのか。
残ったのは3人、星宮いちご、霧矢あおい、紫吹蘭。
選ばれるのはいったい誰か。
誰が選ばれると思うのか。

ぜひぜひ皆さんの予想も伺いたいところですが、僕が選んだのはこの方、ドン!
はい、タイトル通り紫吹蘭ちゃんでございます。
大穴狙いじゃありません。
むしろ本命でございます。根拠付きで。
さてでは何故に蘭ちゃんが選ばれると判断したのか。
これを読めば、君もきっと蘭ちゃんが合格すると確信できる! 美しき刃大勝利シミュレーションをお見せします!


その1、順番!


アイカツ・トライスターオーディションで大穴扱いされている蘭ちゃんが実は現状では一番リードしているという理由。
まず初めに単純に順番という点ですね。美月絡みの争いはこれで3回目であり、1回目の美月のマネージャー争奪戦はいちごとあおいで行われ、あおいが勝利しました。
2回目の美月に挑戦することのできるフレッシュガールズカップの、最後に残った3人。勝利したのはいちごです。
つまり3回目である今回は、蘭が勝つ番であるわけです!
これは美月をめざす3人というキービジュアルからしても、妥当であります。


その2、ネタバレ情報との整合性


この部分は、アニメ誌やアルバムの曲目などの本編よりも先の情報との整合性について述べているので、わかりづらいように婉曲に書いておりますが、ネタバレ配慮で隠しておきます。

蘭の勝利は今後のネタバレ情報とも噛み合います。
アルバムのトラックリストの某曲の歌手が担当している某キャラとの絡みの多さ。
アニメディアの記事での蘭の今後の展開の示唆する部分とも整合性がとれます。




その3、今後のストーリー展開予想からの合格者予想


3つ目。今後の展開から合格者を予想した場合、今回の選考は3人の距離・関係性の変化が主眼であることが窺え、
そのことからいちごを主体として見た場合、一番付き合いが長く、同室であるあおいとの別れを描くことが最も展開を劇的にできるため、
合格者はいちごかあおいだと予想することができますが、思い出して欲しいのは、フレッシュガールズカップで蘭が負けた理由です。
それは「2人が気になって」というものでした。つまり次に蘭が2人に勝つ場合、そのことに突っ込むということが考えられ、
それは、いちごとあおいの関係のドラマに負けないものにすることも充分に可能でしょう!
これは、「涙の星」という、次回のサブタイトルの大仰さに見合うこと請け合いです!


その4、対していちごとあおいの勝つ理由、負ける理由


以上が蘭が有利である点ですが、では逆にいちごとあおいが負けるべき理由があるかといえば、特にあおいにはないと思われます。
しかし現状ではいちごとあおいが勝つといえる理由も存在しないと思います。
もちろん次回の内容だけで理由付けすることは問題なく可能でしょうが、今回までの内容で予想をするなら、蘭が有力と言えるでしょう。きっと。

逆にいちごが落ちるフラグはいくつかあって、まず前回見た、美月にパートナー申請される夢が逆夢である可能性。
これは展開として王道です
。また、フレッシュガールズカップで美月にパートナーの話をされつつもその時点では選ばれなかったのに、
このタイミングで選ばれるかという疑問。
いちごの成長を待つというのなら、もうワンクッションあるのではないでしょうか。
これに関して、コール&レスポンス回のラストに美月は「星宮いちご、あなたまたライバルを育てたのね」と言っており、
これが今回と繋がっていると考えた場合、美月がいちごのようにチームを組んでライバルを粗朶多用途思い立ったと取ことはできます。
しかし、前回美月は別府から、一番星となって輝くことで下の人間を育ててきたこと、
そして今回、元ユニット仲間からそのことを肯定されており、今も美月はそういったあり方であると考えた方がしっくりきます。
これは美月といちごのあり方の明確な差であり、強調すべき点でもあります。
よって、美月の方向転換が考えづらいことからも、ここでいちごを積極的に選ぶ理由にはなりません。
むしろ、やはりこれは美月に届くための成長のきっかけなのではないでしょうか。


これらの点から、(あくまで)現状で予測するならば、トライスターに合格するの蘭であると見るのが最も妥当であると言えます。
いかがでしょう?



以下余談ですが。
コール&レスポンス回を踏まえるなら、いちごは周りを温かく照らし、その姿をより明確に見せることのできる、
まさしく太陽のような存在であると言えますね。
いちごの光によって他のアイドルはより魅力的に映る。
他の星の輝きを消してしまうのではなく、魅力を届ける日差し。
アイカツ!には様々なアイドルが登場しますが、いちごはどの子に対しても「すごい」と素直に感銘し、肯定する。
このあり方こそが、いちごが太陽足りうる所以なのではないでしょうか。


で、蘭ちゃんが勝つかどうか。あとは地下の太陽さんが勝利の女神かどうかだけが問題ですよ。ほんとに。
上記の通り、次回の内容次第で誰が合格してもおかしくないレベルでの蘭ちゃんのリードだけど、
もし蘭ちゃんが合格したならこれらの理由が有力って言える程度の説得力はあると思っております、この記事。
2番目はともかく。

そんな感じでみなさんよいアイドル活動を。予想聞けたら嬉しいです。

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

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