誰かに選ばれること デレマス5話までの話とあと不満とか
デレマスの話ですよ。略称これで合ってるの?
5話は「誰かに選ばれること」と、そして同時に「誰かに選ばれないこと」を描いていました。
ユニットデビューの決まった島村、渋谷、本田と、アナスタシア、新田は誰かに選ばれた人間であり、他の面々逆に選ばれなかった人間です。
渋谷はプロデューサーになぜ自分たちが聞きますが、「総合的に判断して」という答えに納得しきれません。
渋谷「みくたちじゃなくて、私たちを選んだのはなんで?」
新田はデビューのビジョンのない自分が選ばれたことに不安を感じます。
新田「私たちにはプロデューサーさんが用意してくれた素敵な曲と、衣装しかないでしょう? まだステージに立ったこと、一度もないし」
新田「しっかりしなきゃね。選ばれたんだから、頑張らなきゃ」
逆に、前川は、なぜ彼女たちが選ばれたのか、そしてなぜ自分が選ばれなかったのか、という疑問を突き付けます。
この「誰かに選ばれる」っていうのは作品のテーマだと思うんですね。
1話で島村渋谷本田はプロデューサーに選ばれてアイドルになった。
2話で3人は美嘉に選ばれ、バックダンサーになることに。
3話でその姿を見たお偉いさんに(おそらく)選ばれ、ユニットデビューが決定。
アイドルというのは、こうして誰かに選ばれ続けるということなのではないかと思うのです。
王子に選ばれるシンデレラのように、誰かに選ばれる存在。
この作品は、アイドルをそのようにものとしてこれまで描いているのではないでしょうか。
ですが、アイドルというのはただ選ばれるだけの存在ではありません。
同時に、自分でも選んでいくのだということも描かれます。
顕著なのは美嘉です。
彼女は自分で3人をバックダンサーに選びました。
既に活躍しているアイドルの先輩として、そうした姿も描かれているのです。
3人も少しずつですが自分たちで選ぶということを行っていきます。
ステージの前のフライドチキンという掛け声を選び、PR動画をどう撮るかを選ぶ。
それはとても拙いものでしたが。
そんな3人が5話で選ぶことになったのが、自分たちのユニット名です。
ホワイトボード一面の案を書き出しますが、選ぶ事が出来ません。
対し、前川たちは自分たちのデビュー案を考え選びますが、それはプロデューサーに採用されません。
単に自分で選ぶということが偉いというわけではないんですね。
アイドルとして、自分で選んだことを誰かに選んでもらわなければならないのです。
そしてそれはまた、最初に彼女たちを選んだ者の物語でもあるように思います。
それがプロデューサーです。
プロデューサーは渋谷を選びましたが、だからといって彼女が素直にアイドルの道を選んでくれるわけではありません。
自分の頭越しのような形で美嘉と部長が彼女たちを選び、プロデューサーはそのフォローをすることになります。
これは彼女たちを最初に選んだ者の責任であり、その責任をはっきりと描いたのがこの5話です。
企画の決まっていく物事に対して対処を行っていますが、しかしそれ故はっきりとアイドル達の気持ちに応えられないんですね。
千川「順調ですか?」
プロデューサー「決め事は、概ね」
千川「あの娘達は」
プロデューサー「え? はい、頑張っています」
千川「プロデューサーさんにかかってますからね」
決め事は決まっていきますが、プロデューサーがぼかして答えるしかない部分が問題になっているんです。
「なぜ彼女が選ばれ、またなぜ他の彼女が選ばれないのか」、です。
実際その理由は部長と千川との会話で明示されているんですが、それを直接アイドルに伝えることはできないんですね。
まあ理由はいろいろあるでしょうけど。
で、立てこもった前川にプロデューサーが言ったのって、「あなたも選ばれている」ってことなんですね。
「不安にさせてしまったが、あなたも僕が選ばれたメンバーであり、皆もそうであり、順番でしかない」、と。
そこから最後、島村渋谷本田の3人が、プロデューサーの仮に置いたユニット名を自分たちで「選ぶ」。
というのが5話の顛末だったわけです。
何もかも用意してもらっているデビュー組だけど、自分たちで選んだものもある。
そんな一歩がこの5話です。
……以下不満。
でまあそんな話だったんだけど、そんなわけで5話ってかなり作品テーマに踏み込んでるんですよね、たぶん。
で、まだ序盤なんだからそこにちゃんとした答えを出す必要はないんですよ。そこってつまりなんで選ばれたのかとかそういう話です。
1話から彼女たちが選ばれた理由ってぼかされてるんですよ。
渋谷「そもそも私の何を見て、アイドルになれって言ってるわけ?」
プロデューサー「笑顔です」
渋谷「は!?」
5話でプロデューサーが前川に答えたのは、「すでにあなたたちは選ばれている」、ということであって、「なんで選ばれたのか」ということへの答えではないわけですね。
それはさっき言ったように作品通してのテーマへの答えであって、今答える必要のあることではないんです。
だから、答えを誤魔化してもいいし、暫定的な答えでも十分です。
ただ、それにしてはかなり大きくテーマに踏み込んでいるんです。
視聴者としてはどう答えを出すのか、あるいはかわすのか、という点に注目して見てしまうのです。
デビュー組は何故自分たちが選ばれたのか、という疑問を共有しているし、前川たちもなぜ選ばれなかったのかという疑問を共有している。
だから、前川の「自分と彼女は何が違うのか、なぜ自分は選ばれないのか」という問いはプロジェクト全員の思いの代弁だったわけです。
前川だけの思いなら、前川の不安を取り除いてやれば疑問に対する答えが不十分でも構わないんですが、今回は疑問の共有が強すぎる。
つまり、あの場でプロデューサーは前川だけじゃなく、全員の疑問に答える、あるいは誤魔化す必要があったんですよ。
それが「順番だから」では弱すぎると思ってしまう。
だって「じゃあその順番はどう決まったの?」ていう次の疑問がすぐに生まれてしまいますから。
これがデビュー第一弾がニュージェネレーションだけなら、その理由を察せられますが、ラブライカはそうではない。
ラブライカが誰かに選ばれる描写も弱い。
そして当のラブライカにも疑問の共有が行われてしまっている。
渋谷も自分が選ばれた理由を今回の中で直接ぶつけているため、そのまま納得してユニット名選びを晴れやかに行うことにも引っかかってしまう。
ただプロデューサーも自分の力が及ばないところで決まることがあるなんて言えないわけで。
じゃあまあどうすればいいかって、「あのプロデューサーが本気で謝罪した!」とかその行動自体に他のキャラにリアクション取らせて誤魔化しにかかればいいと思うんですけどね、本編通りでも。
論点をずらして落としどころを力技で作るにはやっぱり謝罪ですよねーそして土下座、切腹。
キャラのアクションとリアクションとして面白いだろうなーとかの思いもありますが。
第一に「あなたたちはすでに選ばれているという点で皆同列だ」という答えでデビューが遅い面々が納得できると思うかどうか。
第二に先にデビューが決まっている面々もその答えで「皆同列だ」と納得できると思うかどうか。
第三に作品のテーマに対する暫定的なその答えに対して視聴者として面白いと思えるか。
5話の内容はこれだけハードルを高くしてるんです、疑問の共有を強くすることと、テーマに踏み込むことで。
僕としてはかなり物足りませんでした。
まあそういうなんつうか構成的な話以外でも、立てこもりは4話で双葉がやったことの2度ネタで面白くないぞとか、前川のレッスン姿足りないぞとか、島村渋谷本田の関係って特に面白くないなあとか、そもそも本田がいる意義が感じられなくてその役回りは大体島村だけでできるんじゃね?とか、島村の笑顔が魅力的に描かれることがほとんどなくなってこの子の魅力ってなんだっけな感じや、例えば神崎の中二設定の内実がわかんなくてガワだけっぽくてよくわからないとか、まだアイドルじゃないとはいえ描かれてるのが美少女キャラの魅力でそれってアイドルとしての魅力なの?って疑問とか、その辺全部ひっくるめてキャラの関係性が漫才以外の面でまったく面白くないとか。
そういうテーマとか構成以外の部分の話が特に面白くないんですが、それはそれとしてこれからも期待してます。
いや、ほんとに。
5話は「誰かに選ばれること」と、そして同時に「誰かに選ばれないこと」を描いていました。
ユニットデビューの決まった島村、渋谷、本田と、アナスタシア、新田は誰かに選ばれた人間であり、他の面々逆に選ばれなかった人間です。
渋谷はプロデューサーになぜ自分たちが聞きますが、「総合的に判断して」という答えに納得しきれません。
渋谷「みくたちじゃなくて、私たちを選んだのはなんで?」
新田はデビューのビジョンのない自分が選ばれたことに不安を感じます。
新田「私たちにはプロデューサーさんが用意してくれた素敵な曲と、衣装しかないでしょう? まだステージに立ったこと、一度もないし」
新田「しっかりしなきゃね。選ばれたんだから、頑張らなきゃ」
逆に、前川は、なぜ彼女たちが選ばれたのか、そしてなぜ自分が選ばれなかったのか、という疑問を突き付けます。
この「誰かに選ばれる」っていうのは作品のテーマだと思うんですね。
1話で島村渋谷本田はプロデューサーに選ばれてアイドルになった。
2話で3人は美嘉に選ばれ、バックダンサーになることに。
3話でその姿を見たお偉いさんに(おそらく)選ばれ、ユニットデビューが決定。
アイドルというのは、こうして誰かに選ばれ続けるということなのではないかと思うのです。
王子に選ばれるシンデレラのように、誰かに選ばれる存在。
この作品は、アイドルをそのようにものとしてこれまで描いているのではないでしょうか。
ですが、アイドルというのはただ選ばれるだけの存在ではありません。
同時に、自分でも選んでいくのだということも描かれます。
顕著なのは美嘉です。
彼女は自分で3人をバックダンサーに選びました。
既に活躍しているアイドルの先輩として、そうした姿も描かれているのです。
3人も少しずつですが自分たちで選ぶということを行っていきます。
ステージの前のフライドチキンという掛け声を選び、PR動画をどう撮るかを選ぶ。
それはとても拙いものでしたが。
そんな3人が5話で選ぶことになったのが、自分たちのユニット名です。
ホワイトボード一面の案を書き出しますが、選ぶ事が出来ません。
対し、前川たちは自分たちのデビュー案を考え選びますが、それはプロデューサーに採用されません。
単に自分で選ぶということが偉いというわけではないんですね。
アイドルとして、自分で選んだことを誰かに選んでもらわなければならないのです。
そしてそれはまた、最初に彼女たちを選んだ者の物語でもあるように思います。
それがプロデューサーです。
プロデューサーは渋谷を選びましたが、だからといって彼女が素直にアイドルの道を選んでくれるわけではありません。
自分の頭越しのような形で美嘉と部長が彼女たちを選び、プロデューサーはそのフォローをすることになります。
これは彼女たちを最初に選んだ者の責任であり、その責任をはっきりと描いたのがこの5話です。
企画の決まっていく物事に対して対処を行っていますが、しかしそれ故はっきりとアイドル達の気持ちに応えられないんですね。
千川「順調ですか?」
プロデューサー「決め事は、概ね」
千川「あの娘達は」
プロデューサー「え? はい、頑張っています」
千川「プロデューサーさんにかかってますからね」
決め事は決まっていきますが、プロデューサーがぼかして答えるしかない部分が問題になっているんです。
「なぜ彼女が選ばれ、またなぜ他の彼女が選ばれないのか」、です。
実際その理由は部長と千川との会話で明示されているんですが、それを直接アイドルに伝えることはできないんですね。
まあ理由はいろいろあるでしょうけど。
で、立てこもった前川にプロデューサーが言ったのって、「あなたも選ばれている」ってことなんですね。
「不安にさせてしまったが、あなたも僕が選ばれたメンバーであり、皆もそうであり、順番でしかない」、と。
そこから最後、島村渋谷本田の3人が、プロデューサーの仮に置いたユニット名を自分たちで「選ぶ」。
というのが5話の顛末だったわけです。
何もかも用意してもらっているデビュー組だけど、自分たちで選んだものもある。
そんな一歩がこの5話です。
……以下不満。
でまあそんな話だったんだけど、そんなわけで5話ってかなり作品テーマに踏み込んでるんですよね、たぶん。
で、まだ序盤なんだからそこにちゃんとした答えを出す必要はないんですよ。そこってつまりなんで選ばれたのかとかそういう話です。
1話から彼女たちが選ばれた理由ってぼかされてるんですよ。
渋谷「そもそも私の何を見て、アイドルになれって言ってるわけ?」
プロデューサー「笑顔です」
渋谷「は!?」
5話でプロデューサーが前川に答えたのは、「すでにあなたたちは選ばれている」、ということであって、「なんで選ばれたのか」ということへの答えではないわけですね。
それはさっき言ったように作品通してのテーマへの答えであって、今答える必要のあることではないんです。
だから、答えを誤魔化してもいいし、暫定的な答えでも十分です。
ただ、それにしてはかなり大きくテーマに踏み込んでいるんです。
視聴者としてはどう答えを出すのか、あるいはかわすのか、という点に注目して見てしまうのです。
デビュー組は何故自分たちが選ばれたのか、という疑問を共有しているし、前川たちもなぜ選ばれなかったのかという疑問を共有している。
だから、前川の「自分と彼女は何が違うのか、なぜ自分は選ばれないのか」という問いはプロジェクト全員の思いの代弁だったわけです。
前川だけの思いなら、前川の不安を取り除いてやれば疑問に対する答えが不十分でも構わないんですが、今回は疑問の共有が強すぎる。
つまり、あの場でプロデューサーは前川だけじゃなく、全員の疑問に答える、あるいは誤魔化す必要があったんですよ。
それが「順番だから」では弱すぎると思ってしまう。
だって「じゃあその順番はどう決まったの?」ていう次の疑問がすぐに生まれてしまいますから。
これがデビュー第一弾がニュージェネレーションだけなら、その理由を察せられますが、ラブライカはそうではない。
ラブライカが誰かに選ばれる描写も弱い。
そして当のラブライカにも疑問の共有が行われてしまっている。
渋谷も自分が選ばれた理由を今回の中で直接ぶつけているため、そのまま納得してユニット名選びを晴れやかに行うことにも引っかかってしまう。
ただプロデューサーも自分の力が及ばないところで決まることがあるなんて言えないわけで。
じゃあまあどうすればいいかって、「あのプロデューサーが本気で謝罪した!」とかその行動自体に他のキャラにリアクション取らせて誤魔化しにかかればいいと思うんですけどね、本編通りでも。
論点をずらして落としどころを力技で作るにはやっぱり謝罪ですよねーそして土下座、切腹。
キャラのアクションとリアクションとして面白いだろうなーとかの思いもありますが。
第一に「あなたたちはすでに選ばれているという点で皆同列だ」という答えでデビューが遅い面々が納得できると思うかどうか。
第二に先にデビューが決まっている面々もその答えで「皆同列だ」と納得できると思うかどうか。
第三に作品のテーマに対する暫定的なその答えに対して視聴者として面白いと思えるか。
5話の内容はこれだけハードルを高くしてるんです、疑問の共有を強くすることと、テーマに踏み込むことで。
僕としてはかなり物足りませんでした。
まあそういうなんつうか構成的な話以外でも、立てこもりは4話で双葉がやったことの2度ネタで面白くないぞとか、前川のレッスン姿足りないぞとか、島村渋谷本田の関係って特に面白くないなあとか、そもそも本田がいる意義が感じられなくてその役回りは大体島村だけでできるんじゃね?とか、島村の笑顔が魅力的に描かれることがほとんどなくなってこの子の魅力ってなんだっけな感じや、例えば神崎の中二設定の内実がわかんなくてガワだけっぽくてよくわからないとか、まだアイドルじゃないとはいえ描かれてるのが美少女キャラの魅力でそれってアイドルとしての魅力なの?って疑問とか、その辺全部ひっくるめてキャラの関係性が漫才以外の面でまったく面白くないとか。
そういうテーマとか構成以外の部分の話が特に面白くないんですが、それはそれとしてこれからも期待してます。
いや、ほんとに。
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