ロウきゅーぶ! 1話・2話感想 ローリング・スポコメディに意味が伴った!
ブログの更新頻度をあげようと思いつつ、それにはもっとアニメ見ないといけないんだけど、とりあえず唯一見れてる夏新番のロウきゅーぶ!の感想でも。
視点的には原作一巻既読、となります。
特に原作では難しいアニメならではの表現に注目しながら。
■身長差を強調するレイアウト
これに関しては、まずこの記事が非常に秀逸です。http://nontananime.blog33.fc2.com/blog-entry-349.html
で、このことを念頭に2話を見ると、2話でもこのレイアウトが徹底されていることがわかる。
そして、その上で目立つのが、Bパートで智花が昴の庭に来て、昴と智花が同じ高さに描かれるカットだ。
これは昴が母に対して子どもっぽい対応をした時のカットであり、それに対して智花が微笑む。
智花の昴への感情の変化として重要なカットであり、同時に昴を等身大の高校生として示す演出にもなっている。
他にも、Aパートの昴と男バス、昴と女バスの立ち位置は完全に対比になっている。
また、前者では木を使って内緒話であることを強調し、後者では木の代わりにゴールが使われ、昴と女バスのメンバーとの間に壁あるかのように存在感を放っている。
また、昴と智花が出会うシーンは一本道でドラマチックに描かれたが、このすれ違ってから声をかける、というのは智花が昴に1対1を申込むシーンでも全く同じように描かれている。
昴の直接的な心情描写の代わりにこうした対比などの演出を多用することで、昴の心情変化に説得力をもたらしているのだ。
■落ちること、人の輪としてのゴール
原作は幕間のチャットシーン以外は昴の一人称視点であるため、チャット以外の昴の視点でないシーンはアニメ独自のものである。
智花の回想の、暗闇中を一人でドリブルしシュートするシーンは今後の展開的にも重要だ。
対比として、昴が来る前に輪になってパス交換していたのも見逃せない。
これらは映像として表現・演出されたものであり、原作と比較するならば絶対に見落とせないだろう。
さて、このようにかつてゴール=勝利こそがバスケの目的だった智花が、人の輪としてのバスケの大切さに気づいた、というのが演出されていたわけだが、これは全編通して表現されているのだ。
人の輪こそがゴールなのだ。
まず回想の暗闇でのゴールが慧心学園にオーバーラップされる。
慧心が智花の居場所=ゴールになるからだ。
さらに、仲間が増えていくカットでも背景のゴールが印象的に存在する。
そもそも智花に友達ができたきっかけをゴールの連続で描いていたのも、ゴールの価値観の反転として象徴的だ。
特筆すべきはEDの最後のカット。
手をつないだ円の中にボールがある様は、まさしく人の輪がゴールであることを表している。
その上で、2話のゴールはボールが落ちることを強調していたように思う。
ゴールに入るには落ちることが必要だ。
回想で、落ち込んでいた智花が人の輪に救われたように。
2話のハイライトは、当然智花が泣くシーンだ。
智花が落とした涙は、昴に受け止められた。
昴が、昴との絆が智花のゴールとなったのだ。
人生のゴールも昴ですね智花さん!
真帆がハンバーガーに唐辛子を振りかけていたシーンも、紗季が真帆のゴールであるということではないだろうか。
(やけ食いがゴールというのは流石に可哀想)
練習シーンでも智花・ひなた・愛莉が輪になってパス交換していたのに対し、真帆と紗季は二人でパス交換している。
2話のアバンで智花が扇子を落としてしまうことは2話の展開を予感させるものだ。
この時智花は一人で抱え込んだが、昴が受け止めてくれた。
アバン、智花の自宅の庭で橋と灯りが描かれていたが、これはBパートで智花が泣くシーンでの、歩道橋と夕日に対応していることも、ポイントである。
そしてさらに。
1話の終わりであり、2話のAパートの始まりである男バスとの会話を中心に、1話と2話で対比関係・円環関係になっているのである。
具体的には……
おかえりメイド→叔母と会話→涙(愛莉)→シュート(智花)→車→癇癪→男バス→癇癪→車→シュート(昴)→涙(智花)→叔母との会話→おかえりメイド
となっており、ラストはまさしくおかえりなさい、なのだ。
この輪となった構成もまたゴールであり、時系列を外れた1話アバンのシーンも、2話まで通して描かれた人の絆、繋がり、場のためにゴールを目指したもの、という奇麗な構成になっている。
ローリング・スポコメディというキャッチフレーズが、きちんとした意味を持ったのである。
このようにロウきゅーぶ!は様々な対比・輪としてのゴールといった、アニメならではの演出が行われており、原作を理解した上でとてもうまくアニメとして再構成している、というのが僕の評価である。
ビジュアルの薄いライトノベルをアニメ化する時、どのようにビジュアルを組み上げていくかはひとつの焦点であるが、このロウきゅーぶ!は原作において重要なエッセンスを作品全体の構成として映像演出・表現しており、とても面白い映像化となっている。
視点的には原作一巻既読、となります。
特に原作では難しいアニメならではの表現に注目しながら。
■身長差を強調するレイアウト
これに関しては、まずこの記事が非常に秀逸です。http://nontananime.blog33.fc2.com/blog-entry-349.html
で、このことを念頭に2話を見ると、2話でもこのレイアウトが徹底されていることがわかる。
そして、その上で目立つのが、Bパートで智花が昴の庭に来て、昴と智花が同じ高さに描かれるカットだ。
これは昴が母に対して子どもっぽい対応をした時のカットであり、それに対して智花が微笑む。
智花の昴への感情の変化として重要なカットであり、同時に昴を等身大の高校生として示す演出にもなっている。
他にも、Aパートの昴と男バス、昴と女バスの立ち位置は完全に対比になっている。
また、前者では木を使って内緒話であることを強調し、後者では木の代わりにゴールが使われ、昴と女バスのメンバーとの間に壁あるかのように存在感を放っている。
また、昴と智花が出会うシーンは一本道でドラマチックに描かれたが、このすれ違ってから声をかける、というのは智花が昴に1対1を申込むシーンでも全く同じように描かれている。
昴の直接的な心情描写の代わりにこうした対比などの演出を多用することで、昴の心情変化に説得力をもたらしているのだ。
■落ちること、人の輪としてのゴール
原作は幕間のチャットシーン以外は昴の一人称視点であるため、チャット以外の昴の視点でないシーンはアニメ独自のものである。
智花の回想の、暗闇中を一人でドリブルしシュートするシーンは今後の展開的にも重要だ。
対比として、昴が来る前に輪になってパス交換していたのも見逃せない。
これらは映像として表現・演出されたものであり、原作と比較するならば絶対に見落とせないだろう。
さて、このようにかつてゴール=勝利こそがバスケの目的だった智花が、人の輪としてのバスケの大切さに気づいた、というのが演出されていたわけだが、これは全編通して表現されているのだ。
人の輪こそがゴールなのだ。
まず回想の暗闇でのゴールが慧心学園にオーバーラップされる。
慧心が智花の居場所=ゴールになるからだ。
さらに、仲間が増えていくカットでも背景のゴールが印象的に存在する。
そもそも智花に友達ができたきっかけをゴールの連続で描いていたのも、ゴールの価値観の反転として象徴的だ。
特筆すべきはEDの最後のカット。
手をつないだ円の中にボールがある様は、まさしく人の輪がゴールであることを表している。
その上で、2話のゴールはボールが落ちることを強調していたように思う。
ゴールに入るには落ちることが必要だ。
回想で、落ち込んでいた智花が人の輪に救われたように。
2話のハイライトは、当然智花が泣くシーンだ。
智花が落とした涙は、昴に受け止められた。
昴が、昴との絆が智花のゴールとなったのだ。
人生のゴールも昴ですね智花さん!
真帆がハンバーガーに唐辛子を振りかけていたシーンも、紗季が真帆のゴールであるということではないだろうか。
(やけ食いがゴールというのは流石に可哀想)
練習シーンでも智花・ひなた・愛莉が輪になってパス交換していたのに対し、真帆と紗季は二人でパス交換している。
2話のアバンで智花が扇子を落としてしまうことは2話の展開を予感させるものだ。
この時智花は一人で抱え込んだが、昴が受け止めてくれた。
アバン、智花の自宅の庭で橋と灯りが描かれていたが、これはBパートで智花が泣くシーンでの、歩道橋と夕日に対応していることも、ポイントである。
そしてさらに。
1話の終わりであり、2話のAパートの始まりである男バスとの会話を中心に、1話と2話で対比関係・円環関係になっているのである。
具体的には……
おかえりメイド→叔母と会話→涙(愛莉)→シュート(智花)→車→癇癪→男バス→癇癪→車→シュート(昴)→涙(智花)→叔母との会話→おかえりメイド
となっており、ラストはまさしくおかえりなさい、なのだ。
この輪となった構成もまたゴールであり、時系列を外れた1話アバンのシーンも、2話まで通して描かれた人の絆、繋がり、場のためにゴールを目指したもの、という奇麗な構成になっている。
ローリング・スポコメディというキャッチフレーズが、きちんとした意味を持ったのである。
このようにロウきゅーぶ!は様々な対比・輪としてのゴールといった、アニメならではの演出が行われており、原作を理解した上でとてもうまくアニメとして再構成している、というのが僕の評価である。
ビジュアルの薄いライトノベルをアニメ化する時、どのようにビジュアルを組み上げていくかはひとつの焦点であるが、このロウきゅーぶ!は原作において重要なエッセンスを作品全体の構成として映像演出・表現しており、とても面白い映像化となっている。
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