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アイカツスターズ!における食事と紙の受け渡しと人間関係に関する考察

ちょっとリハビリに軽い記事書きます。
もう記事のタイトルまんまなんですけど、アイカツスターズ!では食事シーンで人間関係を表すことがとても多いです。
それだけならよくある話だし、単純に食事シーンが多いだけじゃねえの?って思われるかもしれませんが、ここにもう一つ、食事に関して飲食物のキャラ間の受け渡しも非常に多いことが特徴として挙げられます。
結論から言うと、この飲食物の受け渡しでもそのキャラ同士の関係性と、またその変化が描かれているのです。
この受け渡し、実は飲食物だけでなく他の物に形を変えて変奏して描かれることもあるのですが、これもそれだけならよくありそうな話に思えるかもしれません。
が、さらに一つの特徴として、紙というモチーフが好んで使われています。
これらが一体どんな意味を持って描かれているのか、まずは列挙していくので追って見ていただくのがいいかと思います。

まず3話、組決めオーディションで迷うゆめにローラが励ましとしてデザートをあげます。
これは二人のライバル関係として後々まで重要になります。
4話、ゆめたちが食べた差し入れが、ひめと夜空によるものだと明かされます。
アイドルはスタッフと一緒にステージを作り上げるというテーマをわかりやすく補強しています。
5話ではS4という特別な関係性が、星々の集いというお茶会で表現されています。
6話はこのモチーフで1話丸ごと作られたような話ですね。
ROCKロックガールズという劇中劇のあらすじが、ビラを配るけれど誰にも受け取ってもらえない主人公と、最初は断るけれど思いを受け取ってバンドを結成する仲間たち。
そしてラストは来ないと思っていた仲間が来て、主人公から受け取った思いのお返しにマイクを返すというものでした。
先ほど言った紙という形式がこのビラですね。
他にもチケットという形になったり、ドレスカードだったり、2話のローラからゆめへの楽譜なんかもそうだと言えるでしょう。
今後もいろんな紙になって出てきますが、アイドル、あるいはアイカツと紙との親和性が高いという判断があったのかと思います。
6話の話を続けますと、ガリ勉について勉強するゆめは小春から飴を貰い、ガリ勉を「友達がいないから飴を貰えない」と表現します。
これを踏まえると、ROCKロックガールズとは飴=ビラ=マイクをを渡し合える、ガリ勉が友情を結んだ話なのであると理解できます。
また、撮影中にゆめがすばるから水を貰いますが、さらにゆめからこの水を受け取ることをあこは拒否します。
ゆめとあこはまだそういう関係を結べていないということですね。
しかし、ラストシーンであこが落としかけた学食をゆめが受け取り、あこに返すというシークエンスがあり、二人が関係を結ぶ余地があるということを示唆します。
というわけで6話はかなり濃かったんですが、せっかくですので7話以降も見てみましょう。
7話ではローラの自室での酢昆布ですね、これがローラの個性につながっているし、ラストの酢昆布アイスでもあります。
8話ではこはるが真昼に飴をあげて関係を結びます。飴強し。
9話はゆめとローラが別々の場所でたい焼きを食べて当たりを引きます。
別に一緒に食べてもよかったのに別々にしたということが、やはり二人のライバル関係を描くうえで大事だったのでしょう。
10話、ゆめのステージのチケットをローラと小春が手売りします。
チケットという形をとることで、アイドルとファンという関係性にも踏み込めるのがこの紙モチーフの強さですね。
11話は激辛カレーを食うひめ先輩!
はい、12話はごほうびタイムでラムネをふるまうツバサ。
ゆりちゃん先輩の言うツバサ先輩の慕われる理由に使われていますね。
13話は小春デレラが可愛がられすぎたりゆず部屋でなんか食ったり。
段々雑に語りすぎてるの次から丁寧に行くと、14話はまず真昼がゆめから短冊を受け取るのを拒否したところから始まり、最後は真昼から短冊を受け取るという美しい構成になっていますね。
その途中でも朝陽が夜空にカップケーキを差し入れたり、ゆめから真昼にケーキを送ったり、そして、真昼がドレスのコンテストにデザイン画(当然紙)を送り、それを受け取った夜空がラストで真昼の短冊を見たりと、関係性が盛りだくさんでした。
15話も、話の中心にあったのは、香住姉妹のお絵描きコーデであり、姉妹で受け渡していたものを、置いて行かれたと思った真昼が捨て、しかし夜空はそれを拾っており……という形で二人は仲直りしました。
16話ではラストの学食無料についてのやり取りを覚えておきたい。
17話はそのものバラエティで料理をするという話でしたね。
その料理であこがすばるしか見ていないことがありありと見て取れたけれど、それじゃダメだろうと。
結果、あこは6話で受け取れなかったすばるの水を受け取れたし、一緒に料理した小春とは仲良くなれましたね。遠投回収。
18話はビラを配ってイベントの宣伝するゆりちゃん先輩、過去にも同じようなことやってツバサ先輩と仲良くなってたゆりちゃん先輩……ツバゆり……。
というのは置いといても、それらを見て聞いて、自分にしかできないアイカツとして、ゆめがハガキを出したり、自分でポスター作ったりと道が拓けたわけです。
19話では夏バテ気味で小食の小春たちに対して元気なゆずが、高原でおいしいものを食べさせます。
しかしポイントはこの時ゆずが食べてるところは映さないんですね、食べさせるだけ。
その後、ゆずはリリィにクレープをプレゼントし、そして自分も一緒に食べることで、ゆずとリリィの特別な関係が感じられます。
あとミッキー先輩からドレス受け取ったりもしたよ。
20話、撮影現場でのS4による手作りご飯の差し入れは4話の復習ですね。
余談ですが4話ではミーハーでゆめのリハーサルやらを覗こうとしていたゆめが、20話では勉強のために撮影現場を覗こうと言い出したり、明確に20話では4話からの成長を描いています。
21話はゆめとローラのライバル関係において重要な話でしたが、ポイントはローラがゆめにポテトを食べさせてあげていたことですんね。
確かにこれまでローラはゆめを自分のライバルに相応しい存在であれと、応援しているようなところがあって、つまり3話のデザートですね。
ですが、21話と同じくゆめとローラの直接対決であった9話では別々の場所でそれぞれたい焼きを食べていたわけで。
で、22話はひめからのお茶とマッサージ(この辺は11話からですね)があったりひめのステージのチケットを受け取ったりしたわけですが、ラストでローラは自分でゆめのCDを買っていたんですよね、それもゆめからの抱き着き回避した後の発覚で。
この辺りに二人のライバル関係の描き方の機微を勝手に感じ取ったりしているわけですが、そろそろ列挙に疲れてきた。
23話では最初のゆずからリリィへの自分のステージのチケットのプレゼントと、ラストのウィンナコーヒーですね。

こんな感じで描写を列挙してきましたが、それぞれの意味合いについてはかなり雑に書きました。
これらの意味について述べるのはこの記事の本旨ではないので、つまり皆さんが勝手に考えればいい話です。
ただ、アイカツスターズ!という作品はこういう描写の積み方をしていて、人間関係の表現として、追って見てみると面白いと思います、ということです。
僕がアイカツスターズ!のスタッフを信頼している一つの部分でもありますよという表明でもあります。
まあそんな感じで、事実の列挙なら楽だしリハビリにもいいだろうと書き始めてみたら思ったより疲れたわけですが、ちょうど2クールが終わる辺りで、ざっとさらうにはちょうどいいタイミングだった気もします。
この調子でもっと突っ込んだ記事書きたいですね……だってアイカツスターズ!面白いし。
劇場版もこの視点で見てみると納得できる部分があるんじゃないかな、と思ったり。
単に食事シーン、食堂でのシーンはアイカツ!の頃から多かったんですが、まあいろいろやってるんだなということで。
なんかすげえどんくさい記事になってしまいましたが読んでくださった方はありがとうございました。
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ジャンル : アニメ・コミック

アイカツスターズ!1話感想 ゆめの世界へのお話

いろいろありますがアイカツスターズ!の筐体が面白そうで楽しみな今日この頃、久しぶりにブログを更新してみんとす。
本来ならアイカツ!のソウカツをするべきなんじゃないかと思いつつも、それをするには心の準備が数か月必要そうなので、今回は放送開始しましたアイカツスターズ!1話の感想でも書こうかという次第。

僕がこの1話で感じたの練りこまれた美しさと怖さで、とてもよくできてるなと。
かなり情報量を詰め込んだ1話だったんですが、それでも見やすいのは話の最初と最後、2つのライブシーンを軸に構成しているからですね。
で、この2つのライブを対比する構成がとても美しかった。
ちょっと遠回りして話すと、最初のS4のライブを見に行くのに主人公の虹野ゆめは電車を利用していて、そこから話が始まっているんですけど、この電車(からの道程)というのが、最後のゆめ自身のライブまでの道程と対応した作りになっているんです。
つまり、電車とフィッティングルームが対応している。
周りの光景が光として後ろに流れていくフィッティングルームが電車と、学生証とアイカツカードをかざし光の中へと飛び込むのがICカードをタッチする改札と、そしてドレスを身にまとうため駆け上がる階段が駅の階段と、それぞれ完全に対応しているんです。
そして、その先にあるのはどちらもステージ。
しかし、最初はS4のライブで、それを見るゆめいう構図だったのが、最後ではゆめのステージを見るS4という形に逆転している。
この対比の構図が1話の軸となっています。
客席から「S4になりたい」と叫んだゆめが、今度は自らのステージからS4へと輝きを放ったわけです。

電車はそこ以外でも、四ツ星学園を映す前に路面電車的なものを見せたりしていて、意識的に使ってますよね。
電車の先にはステージやアイドル学校などの異世界があるんです。
やっぱり電車というのはここではない場所へと到達するドラマチックで運命的なものだと思ったりします。
改札を抜けると、そこは輝く世界であった、的な。
フィッティングルームはアイカツシリーズにおいて重要なギミックなんですけど、そこを中心に映像を作っていくのはとても美しいと思うので大好きです。

そんなわけで以上が1話の軸なんですけど、じゃあそこをもとに何を描いていたかというと、四ツ星学園という場所におけるS4の立ち位置と、ゆめの特別性だったのかなと。
それがどうやって描かれていたというと、最初に言った怖さに繋がってくるんですが、ええ、怖いです。
何が怖いって四ツ星学園の校舎の正面には花鳥風月の紋章っていうかステンドグラス的なのがあるんだけど、1話で校舎見えるカットは全てゆめちゃんの目指す花の歌組だけが見えないように隠されてる んですね。

スクリーンショット (237)
これが校舎
 
スクリーンショット (234)
歌組にだけ被せる

スクリーンショット (235)
左右対称でいいのにわざわざカメラがちょっと右に寄ってる

スクリーンショット (236)
2話でもバンクで使われてたカット


これが何と関連してるかというと、学園案内アプリでS4のうちでひめさんだけ出番がなかったこと。
1話ではS4が目標であると同時にみんなの案内役であることが示されてるんです。
S4はみんなの憧れであり、リムジン的なお車で送迎される、新入生とはまったく階級の違う存在であることが描かれているんですが、同時に入学式でかなり積極的に新入生を指導して導くということも見せています。
目標であると同時に導き手なんですね。親切です。
だから学園案内アプリでもS4が登場するんですが、しかし校舎担当の白鳥ひめには出番がなかった。
つまり、ゆめはひめの案内を受けてないし、さらに見送りで先周りしようとして突拍子のない高い所に行ってしまう。
これがゆめの特別性です。
ひめを憧れとしているのに、ひめの後追いではなく、新入生とは思えない特別なステージをやってのけてしまう。
そしてその特別性はゆめ本人にも認識できないというのが次回以降への引きというか、なかなか恐ろしいところですよね。
フィッティングルームのシーンも今までと比べるとその先の未知感が強い印象もあって、ゆめちゃんが何かやばいものと接続しちゃったんじゃないかって感じもあって。
ともかくS4のいるこの四ツ星学園で、虹野ゆめという女の子が特別なのだということがステージだけでなく現れていたんですね。

そんな感じでこの1話は設定説明とかあるのにかなり見せたいものを詰め込んで、それを綺麗に構成できてるなって感想でした。
以下雑感。
やっぱりというか佐藤監督は画面の演出力高いですね。
木村監督はポージングの人みたいなとこがあって、そのキャラとして適切なポージングと芝居ができていれば、あとは素直に見せて行くだけで充分牽引できるみたいな画面への信頼を感じていたんですけど、やっぱり見せ方は変わるなと。
柿原さんの脚本は、今までの仕事でも感じてましたけど上記みたいな積み方をする人だよなって印象あります。
アイカツ無印での仕事もだいたいこんな感じで読めます。
特別性で言うと、ローラも特別な子であるんですよね。遅刻っていうインパクトもあるんですが、それはつまり入学式に出席していないということで、S4の訓示を彼女は聴いてないんです。
先生については1話は放任が強調されてますよね。
これはS4が導き手であるということが霞まないようにしてるんじゃないかと。
あとアンナ先生は大人大人させてなくて、ちょっと生徒とも喧嘩できそうなくらいに描いてます。
この立ち位置で男だと怖いキャラになっちゃうんでその辺も計算して彼女は作られてるかなとか。
キリがないんで最後にCGの話をすると、モーションキャプチャーの後の手付での動きの整備がまだ不慣れな感じですね。
モデリングはそもそもやぐちさんのデザインがCGとの相性がいいってのがあったんで判断が難しいんですけど。
ひめさんのスペシャルアピールのとこはかなり上手かったし人によって差があるのか得意不得意があるのかはわかりませんが、おおむね無駄な動きが多いです。
そしてそのわりに芝居が少ない。表情も含めて。
後ろの噴水とかオーラとかはさすがって感じで、サンライズDIDスタジオはマンパワーのあるとこだと思うので、これはしばらくしたらちゃんとうまく合わせてくるだろうと思います。
そこは威信がかかってますからね。
なんか書き忘れたこともある気がしますが、とりあえずこんなとこで、早めに2話の感想書こうと思います。

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アイカツ! 3DCG考その1 新3人娘のシルエットから見る髪の構造への第一歩

はい、では今回はアイカツ!の魅力、またその3DCG(以下CG)の魅力に迫るため、まずは3年目の新3人組(あかり、スミレ、ひなき)のモデルについて触れていこうと思います。
その1とかタイトルにありますけど、とりあえずその3くらいまでは考えてあります。
あとは脳から出力するだけ。他の人にやってほしい作業です。タイピング遅いので。

さて、アイカツ!のCGは所謂セルルックです。超簡潔に言えば2DっぽいCGです。
現在のアニメには、セルルックのCGを扱ったアニメは数多くあります。
その中でもアイカツ!のモデルは、髪の作りに大きな特徴が特徴があると思います。
この記事では、そこからアイカツ!のCGに踏み込んでいきます。

アイカツ!のモデルの髪が房で可動します。
そして、その髪の房が段差になって重なっているのが特徴となっています。
この房ごとに、ゴムの塊のような挙動を見せることで、髪の毛に動きが生じます。

ブログ8
これが髪の房。関係ないですけどアイカツ!CGの線の入り抜きとてもきれいですよね。

このゴムのような髪の動きに近い他の作品は、プリキュアなどがそうです。
ただ、プリキュアには、髪は大きなひとまとまりの塊としてデザインされているという特徴があり、そこが相違点となります。
アイカツ!は細かくはないですが、髪の房はそれなりに別れているんですね。
プリリズのベル様なんかはひとまとまりの大きな房が先だけ枝分かれしている感じ。
直近だとクロスアンジュのアンジュの髪がこんな感じでしたが、切っちゃったのでほとんどお披露目は無しでした。
楽園追放のアンジェラも同じですが、こちらも房の長さがみな同じ高さで切り揃えられているので、段差になっていません。

アイカツ!のCGには、この結果得られている表現の一つとして、シルエットの変化があります。
髪の房ごとに、慣性に従って大きく弾むので、そこで髪に動きが生まれるんですね。
そして、この髪の房と段差のキャラごとのデザイン差によって、キャラそれぞれに違う印象が感じられるのです。
それをあかり、スミレ、ひなきの3人を実例に紹介します。



あかり:髪の房と、その段差の先が顔の周りに集中しています。
よって、シルエットの変化も顔の周りの動きが中心になります。

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ぶわさぁ。

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片側にぶわさぁ。

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回ると打ち跳ねの髪が目立ちます。

髪が内側にも外側にも跳ねているので、とても騒がしくて賑やかな印象になります
ライオンのたてがみっぽいと言うか、いやいや子犬っぽいと言いますか。撫でたくなりますよね。ケモりたいですよね。
とにかく髪の毛の多さが可愛らしい。
シャギーでシャギシャギー。



スミレ:房が少なく、長さが切り揃えられ段差も少なく。

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姫カット万歳。

そしてアイカツ!には珍しいストレートヘアですね。大体みんな髪に癖がついてます
蘭もストレートですが、蘭はしなやか髪でカーブを描いています。
しかしスミレの髪は柔らかく、ほぼ真っ直ぐ。

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万歳。

髪の房のブロックも、前髪、両顔横、後ろ髪の4カ所で、同じ長さに切り揃えられた一段の髪が横に扇状に広がるだけです。

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ぱっつん。

シルエットの変化は少なくなりますが、身体の動きに合わせて慣性に従い、末端に向かって広がる動きで、優雅さと華麗さが個性となって現れます。

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華麗に回転。

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美。

先の尖った円柱状の髪の房が多いアイカツ!キャラの中で、かなり異彩を放っています。帯みたいです。
重力に従って真っ直ぐ下に落ちる髪で、絹のような髪質が表現されています。

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癖がないので素直に髪が垂れますね。



ひなき:短い髪の房が上から高さの違う3段くらいに重なっているのが特徴です。

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ばんざーい。

特に1番上の房は耳の上にあるため、頭頂部以外頭のほぼ全域で髪が可動し、シルエット変化が起きます。

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髪が短くないとできない芸当。

ショートカットでも、たとえばさくらのように首もとで切り揃えているわけではなく、房の高さが違っているので、頭のいたるところで髪が跳ねて、ひなきの活発な印象が助長されます。
ひなきの髪の動きはOPが白眉。とてもよく動きます。

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三者三様の髪の動き。というかOPの髪の動き激しいですよね。特別仕様?

かえでがひなきに近い髪の作りですが、かえではうなじ付近の髪は短いためにそこはほとんど可動せず、シルエットも変化しません。
ひなきの下の方の髪は動かないと左右のボリュームは抑え気味なんですが、動くと結構横に広がるんですよね。
そこでひなきの女の子っぽさと言うか、印象の違いが生まれて惹きつけられます。

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垂れ髪。

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左右の髪の印象差をご覧あれ。



このよう三者三様の髪の作りになっており、それぞれのキャラらしさの表現に繋がっています。
単にパッと見のモデルを作画に近づけるというだけではなく、動いた時の印象が、作画で動くキャラを見てきて得られた印象と繋がっており、そこにアイカツ!のCGステージにおける感動と、作画とCG合わせたキャラの個性が表れているんです。
もちろんキャラごとにシルエットに差をつけるのはデザインの基本で、CGのことだけを考えてここのようにデザインしているわけではないでしょう。
アニメのCGは、ゲームではなくアニメの作画のデザインに合わせたセルルックですし。
こうしたシルエットの変化は作画でも行われていることです。
というよりCGよりも作画でずっと行われていたことじゃないでしょうか。
アイカツ!だと酒井香澄さんがけっこうそういう動かし方されますよね。
そういうってつまり、作画なら簡単に髪の房を変形・分裂させて動かせるんだけど、そうではなく房の形のままってことですけど。
しかし、ここで注目したいのは、作画が表現していることを、CGでも表現しようとしていることです。
そしてそれが、作画と全く同じ方法というわけではなく、CGという媒体に合った形で行われているということ。
違う表現方法で同じ(近い)ものを表現するんです。
例えば、万年筆と筆ではその特性が大きく違います。
筆で万年筆の書き味を再現するのはとても困難で、それを行えたら高い技術と労力を評価できますが、無駄の多い作業です。
そうではなく、万年筆は万年筆の、筆は筆のそれぞれの特性を生かして、しかしそれで書かれたものを見た時に、近い印象、同じような感動を得られる。
それがセルルックCGの一つの理想であると思います。

CGで作画と単に同じことをしようとしているのではなく、それぞれに適した手法で、その先にある同じものを表現しようとしているということ――次回はこのことに関して、さらに詳しく迫っていこうと思います。

以上のことを踏まえて、2年目までもキャラの髪がどうなっているかとか、このあたりに注目して見返してみると面白いと思います。
いちごちゃんだとリボンの動きとかも。ぴょんこぴょんこ。
今回試験的にキャプ画使ってるんですけど(じゃないと言葉で説明しきれない)、3年目であかりちゃん単独ステージだけがまだないので、まさかの主人公素材不足に陥りました。
しかしおかげで文章読み飛ばしてスクロールして画像眺めてるだけで、可愛さで幸せになれるので、むしろそれが正しい読み方に思えたり。
ちなみに参考資料に名前上げてる他作品の画像も貼ろうかと思いましたが、想像以上に重労働だったので諦めました。
そこらの作品もこの辺意識してみてみると楽しいんじゃないかなーとか。
単純にどれが優れているか、とかではなく、何に重点を置いて表現しているのか、という部分が見えてくると思います。
あ、あと万年筆と筆がどうこう言う話は多分受け売り。はっきり覚えてないけど。

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アイカツ! 61話『キラ・パタ・マジック☆』感想 空への窓とデザイナー

宣言通りアイカツ!の記事バンバン上げていきますよー。
しかしなんで今更61話かというと、いろいろありますが僕がそらちゃん推しだからです。
推しはかえでちゃんとそらちゃんです。これも宣言しときます。
二人とも声の芝居がとてもいいですよね。
というのは置いといて、こっから先、第37話辺りの感想を書く予定もあるので、この程度序の口です。
さて、この話を見るにあたって、一番の特徴は「窓」です。
キャラクターの心情と同期して開閉される窓が、ドラマを表現していくのです。
ではその様を具体的に見ていきましょう。


そらは泰然自若と言いますか、あまり取り乱さないし感情を大きく外に出す子じゃないので、悩んでるのが外からわかりづらいんですよね。
そこは作中でも言及されています。
だから、その心情表現するのに窓が使われているんです。
最初、そらは起きた時に自室の窓を開け空を見上げています。
しかし、ティアラ学園長からのブランド立ち上げの打診を受け、そらは悩みます。
そこにセイラときいがやって来ますが、その時そらの部屋の窓は閉まり、カーテンがかかっています。

ここから回想シーンになりますが、そらがミミさんに出会った時、見上げたミミさんの宿の窓は閉まっています。
ですがそらとの交流を重ね、そらが宿を訪ねた時には窓は開いており、ミミさんは空を見上げています。
そして、そらとの出会いで悩みが解消されたミミさんは、そらが次に宿の扉を開いた時には去っています。

ここで回想シーンは終わりですが、この回想のミミさんの悩みと窓の動きは、そらのそれとまったく同じをしているんですね。
また、セイラときいが、回想におけるミミさんにとってのそらと同じ役割を果たしているんです。
ミミさんがそらと出会い、窓が開け放たれたように、セイラときいと話したそらは、カーテンを開け空を見上げます。
そして悩みを吹っ切り、ブランド名を決めたそらは、窓を開け放つのです。
ステージ後に、ティアラ学園長が楽屋の扉を開いてもそこにはそらの姿はありません。
最後にそらがミミさんを訪れた時と同じように。
という形で、回想と現在、ミミさんとそらの、それぞれの扉と窓が、心情とともに同期しているのです。

この61話は、こうした映像的なメタファーと、この1話だけで綺麗に完結した話が合わさり、非常に完成度の高いものとなっていると思います。
デザイナーが主役であることや、異国が舞台であることなどから、いつもとちょっと違う雰囲気なところも面白いですよね。
デザイナーが主役であるということは結構重要だと思っていて、僕はアイカツ!2年目に置いてテーマ的に一番重要な役割を果たしたのがそらちゃんであるとすら思っています。
1年目だとユリカ様ですね。
テーマではなく、アイカツ!という作品自体にとって一番重要だったのはあおいちゃん。
というのはともかく、1年目は新人から成長していくアイドル(いちごちゃん)の視点で見たアイドル界、という形式だったのが、2年目からちょっと変わってくるんですね。
例えば、アイドルとデザイナーの関係。
プレミアムレアドレスを貰うには、アイドル側からの視点でトップデザイナーに認められる、というのが1年目の筋でした。
ですが、2年目はそうではないのです。
そらちゃんによってデザイナー側の視点ももたらされたからです。
顕著なのは、このすぐ後の第64話『ラッキーアイドル☆』で、いちごが星座ドレスをもらうときです。
この時、そらからデザイナー側からの視点の言葉をかけられるんですね。
この回のプレミアムレアドレスのもらい方は1年目とは大きく違う者でしたが、それはそらちゃんによってデザイナー側の視点がもたらされたからだと思います。
このあたり、2年目の視点の話はまた別の機会に詳しく書きますね。

さてそんなデザイナーアイドルそらですが、デザイナーとアイドルを両立することについて、ボヘミアンなミミさんが最初の出会いの時に当然のように踊ってるから、
そらちゃんがデザイナーだけじゃなくアイドルもやってる理由を説明しなくてもさらっと納得できるのは見せ方としてうまいですよね。
そういったところも含めて、この61話は完成度が高かったです。
是非この記事を読んで61話の再評価を! 
今月のアニメージュのアイカツ!記事でも木村監督たちがお気に入りの回に挙げてましたしね!

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アイカツ! 101話感想 追っかけアイドル的な話

もう放送から2週も遅れてるので前置き無くさくっと。
2年目最終回となる今回、画面の中心にあったのは、いちごから逃げるあかりと、あかりを追いかけるいちごでした。
何故あかりがいちごから逃げたのかという話は、こちらの天秤さんのブログの記事にとても綺麗にまとまっているのでそちらにお任せするとして、
わかば色のルーフトップ 再定義されるあかりの原点――本当の目標は真似でなくて(アイカツ!第101話考察)
(これ以外の考察もとても面白いのでお勧めです。)

この記事ではいちごが誰かを追いかけるという画面上の動きが、この2年間のアイカツ!においてどのような意味を持っていたのか、ということに焦点を当てたいと思います。

第28話『美月とスッポン』でわかりやすく示された通り、いちごが美月を追いかけるというのが美月といちごの関係であり、いちごのストーリーの主軸でした。
これは50話を区切りに、美月が去った後の51話からは一旦潜伏しますが、2年目後半から再び浮上し追いかけ始めます。
この「追いかける」というのは、もちろんアイドルとしての存在を追いかけるということなのですが、重要なのは、それだけではなく物理的にもいちごは美月を追いかけているという点です。
具体的に例示していきます。
2年目に初めていちごが美月と対面した第63話『紅白アイカツ合戦』では、美月の後姿を見たいちごが美月を探し回り、遂に再開を果たすのがとても印象的に描かれます。(あおいと蘭はその手助けをします。)
美月がアイドルとして復帰する第75話『アゲイン♪オフタイム』では、シークレットライブの張り紙から美月を感じ取ったいちごが、美月復活を目の当たりにします。(他の組の子達は美月を感じ取ってはいません。)
さらに美月がWMとしての活動を開始する第78話『ミラクルはじまる!』、最初は美月からいちごに会いに来ますが、意味深な言葉を残して去ります。
そして、その言葉をヒントにいちごは美月の事務所を探します。
これらすべての回が美月が大きな行動を起こした回であり、そういう時にいちごが美月を追いかけるのが最大限印象的に描かれています。
美月さんが2年目に初めて顔を見せる第53話『ラララ☆★ライバル』でも、いちごはそうとは知らなかったとはいえ結果的にドリアカに潜入して美月を追いかけていたとも言えないこともないですね。たぶん。

こうして見ると追いかけるっていうより探すって方がしっくりくるかもしれませんが、まあ同じことです。
両方の意味があると考えていただいても結構。
大事なのはいちごが美月を「目が追いかけてしまうアイドル」と評したことです。

いちご「私ね、同じステージに立っていても、ついつい美月さんに目が行っちゃうの。お客さんもきっとそうなんだと思う。ステージに何人アイドルがいても、みんなの視線が自然と美月さんに引き寄せられる。私がそうだったみたいに……。いつも私たちの先頭を走ってる」(第92話『サマーアイドルストーリー』)

誰もが引き寄せられる美月を、誰よりも追いかけようとするのがいちごである、というのが1年目も2年目も通底していることであり、そこに作劇的にはドリアカという存在が大きく関わっているのですが、この話はまた別の機会にします。
さて、この美月の特性は映像でもいつも表現されており、美月は後ろ髪を残して画面の外へ去っていくカットが非常に多いのです。
追いかけたくなる後姿というのが、美月の役割として画面に表れているんです。
画面の中の動きにおいても、美月は「追いかけたくなるアイドル」であり、いちごは「追いかけるアイドル」なのですね。
これはもちろん、美月がいちごの「道標」だからということでもあります。
しかし、そうした憧れのライン上の関係だからという以上に、美月は「追いかけたくなるアイドル」だし、いちごは「追いかけるアイドル」なのです。
それを如実に表しているのが、いちごに憧れる大空あかりという存在です。

あかりはいちごに憧れ、いちごを追いかけてアイドルになりました。
その意味で、いちごは追いかけられ、あかりが追いかけるという関係です。
ですが、やっぱりいちごは「追いかける」んですね。
第80話『アイカツ!ブートキャンプ』で、いちごはブートキャンプに行ったあかりの下へ訪れます。
第97話『秘密の手紙と見えない星』でも、スペシャルアピールが出来ずに苦しむあかりに会いに行きます。
このように、あかりが悩んでいる時には、いちごの方からあかりに会いに行くのですね。
これが1年目、美月といちごの時はどうだったかというと、いちごが悩んで歩いていると、中庭にいる美月に出会う、という形が多かったように思います。
これはちょっと全部チェックしきれていないので、僕の印象であって実際は全然そんなことないかもしれませんが……。

ともかく、これまで見てきたように、いちごは追いかけるアイドルでした。
そしてその集大成、いちご主人公のTVラストの第101話でも、いちごが追いかけるのです。
この2年間の最後まで。
この徹底された構図の美しさの中、いちごに捕まったあかりは心情を吐露し合い、いちごと向き合い、そして握手します。

あかり「星宮先輩が、目をそらせないほどきれいだったから……」(第101話『憧れのSHINING LINE』)

こうしてこの上なく綺麗にバトンタッチされて、さて。
いちごを追いかけてスターライト学園にやってきたあかりは、いちごを追いかけながら一体どんなアイドルになるのだろうか?
それが描かれるのが102話からの3年目なのです。
受け取ったバトンを手に、あかりが自分のアイカツをしていくのでしょう。
その予感と、いちごの2年に及ぶ物語の集大成、それをこうも美しく描いたこの101話を見られたことを幸せに思います。

もう一つ。
いつも追いかけられていた美月が、みくるを見送る立場になったというのが、この101話のもう一つの見どころでした。
「見送りに行かない」と宣言しておいてのこれですからね。
美月がみくるとの出会いで変化した部分というのがこの無言の別れ数カットに凝縮されているのです。
これもまた感慨深い。
感極まるというものです。



さらにも一つ。
本当の集大成、劇場版の予告が公開されましたね!
http://www.aikatsu-movie.net/movie/
で、この予告でも先ほど言った美月が後ろ髪を残して去るカットがあるんですけど、その後美月を追いかけている、探しているのはあかりなんですね。
いちごではない。
これがどういうことか考えたんですが、ピンときたのがスパイシーアゲハのトップデザイナー橘アンナの言葉。
『私が求めているのは、完璧なモデルさんじゃなくてミューズなの。私を追いかけちゃダメ』という言葉です。
この言葉の意味は、追いかけるのでもなく、追い越すのでもなく、追いかけたくなるような存在になれ、ということでした。
もし、いちごが美月を越えるのだとしたら、それは、いちごが美月にとって追いかけたくなるような存在になることなのかなあ……
とか考えたら、「歌おう、私の気持ちが届くって信じて……」って言ってるいちごちゃんのカットが表情が、ああ、ああ!
僕はもうダメだ! 
と勝手に感極まってるんですけど、まあ本当にそういう話かどうかは置いといて、楽しみですね、劇場版。
いちごちゃんたちのアイカツの集大成ですものね。
……ってな感じで終わります。
まだまだアイカツに関して書きたいことは山ほどあるのでさくさくいきますよー。

テーマ : アイカツ!
ジャンル : アニメ・コミック

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